日韓コラム Vol.13 韓国ならではの結婚式文化 ~披露宴編~

更新日:9月2日

アンニョンハセヨ。
日韓バイリンガルMC、ユンです。
前回のコラムでは、華燭点火や祝歌など、韓国ならではの挙式文化をご紹介しました。
今回は、その後に行われる韓国の披露宴についてお話しします。
日本では、披露宴会場の指定席でコース料理を楽しみながら、スピーチや演出を見守るスタイルが一般的です。
一方、韓国では挙式後に食事会場へ移動し、ビュッフェを楽しみながら、ご家族や知人と挨拶を交わすスタイルが多く見られます。
同じ披露宴でも、日本とは雰囲気も過ごし方も大きく異なります。
韓国の披露宴は、ビュッフェスタイルが主流
現在の韓国では、挙式後に式場内の食事会場へ移動し、ビュッフェ形式で食事を楽しむ結婚式が一般的です。
日本のように一人ひとりへコース料理が運ばれるというより、ゲストが好きな料理を自由に選び、それぞれのペースで食事を楽しみます。
座席も細かく指定されていないことが多く、親族や友人、職場の同僚など、知り合い同士で同じテーブルに座ります。
結婚式のお祝いでありながら、久しぶりに会う親族や知人との再会を楽しむ、大きな食事会のような雰囲気もあります。
いつ麺料理をごちそうしてくれるかって??
いきなり麺料理??と思いましたよね?
これには理由があります。
現在はビュッフェが多い韓国の結婚式ですが、親御様の世代には、結婚式の祝い膳として국수(ククス/麺料理)がよく振る舞われていました。
長い麺には、夫婦の縁や幸せが末永く続くようにという願いが込められています。
この文化から、韓国では独身の方に対して、
「언제 국수 먹여 줄 거야?(いつククスを食べさせてくれるの?)」
と尋ねる言い回しが今でも残っています。
これは文字どおり麺料理をごちそうしてほしいという意味ではなく、
「いつ結婚するの?」
という意味です。
少しおせっかいにも聞こえますが、家族や親しい人の結婚を楽しみに待つ、韓国らしい言い回しでもあります。
結婚と食文化が言葉の中でつながっているのも、韓国の婚礼文化の面白いところです。
新郎新婦がゲストのテーブルを回ってご挨拶
韓国の披露宴では、食事が始まると、新郎新婦がそれぞれのテーブルを回ってゲストにご挨拶します。
新郎新婦だけでなく、両家の親御様も一緒に回ることがあります。
「本日は来てくださってありがとうございます」
「お食事を楽しんでください」
と、一人ひとりへ直接感謝を伝える大切な時間です。
日本にもテーブルラウンドがありますが、韓国の場合は演出や写真撮影というより、結婚式へ来てくださった方への正式なご挨拶という意味合いが強くあります。
ゲストの人数が多くても、できるだけ一人残らず挨拶をすることが、両家からのおもてなしと考えられています。
本当の「初めまして」が多い披露宴
韓国の結婚式には、新郎新婦の友人や職場の同僚だけでなく、親御様の友人や仕事関係者も数多く招待されます。
そのため、新郎新婦が結婚式当日に初めて会うゲストも珍しくありません。
親御様から、
「こちらはお父さんの学生時代の友人だよ」
「こちらは昔の同僚の方だよ」
と紹介され、タキシードやドレス姿のまま初めてご挨拶をすることもあります。
さらに、普段はなかなか会わない遠い親戚が参列することも多いため、韓国の披露宴には本当の意味での「初めまして」がたくさんあります。
日本では、新郎新婦が招待した親しいゲストを中心に披露宴を行うことが多いですが、韓国では結婚式が**両家の人間関係を披露し、新しい家族を紹介する場**でもあるのです。
親御様も「主催者」
韓国の結婚式では、親御様の存在感がとても大きいのも特徴です。
新郎新婦の結婚を祝う日であると同時に、親御様がこれまでお世話になった方々へ、
「子どもが結婚することになりました」
とご報告する日でもあります。
式場の入口でゲストを迎えたり、食事会場で挨拶をしたり、一緒に写真を撮ったりと、親御様も主催者として一日中忙しく動きます。
新郎新婦が知らないゲストが多いのも、結婚式が個人のお祝いだけでなく、家族と家族、そして両家を取り巻く人々の慶事として受け止められているからです。
食事の時間もそれぞれ
日本の披露宴では、開宴からお開きまで、ゲストが同じ会場で一緒に過ごします。
一方、韓国の食事会では、食事を終えた方から挨拶をして帰ることも多く、滞在時間はゲストによって異なります。
挙式を見届けてからゆっくり食事をする方もいれば、親御様へお祝いの挨拶をして食事会場へ移動する方もいます。
短い時間でも直接足を運び、お祝いの気持ちを伝えることに意味があるのです。
限られた時間の中で、できるだけ多くの人が新郎新婦と両家を祝福する。
そこには、韓国らしい人とのつながりの広さと温かさが表れています。
韓国ならではの集合写真
韓国の結婚式では、挙式後に新郎新婦を中心として、家族、親族、友人、職場の同僚など、グループごとに集合写真を撮影します。
食事会場でも写真を撮りますが、正式な集合写真をフォトグラファーにお願いして残すことを大切にする方が多くいらっしゃいます。
何十人もの親族が並ぶ写真は、とても韓国らしい光景です。
その日の記念であると同時に、普段なかなか一堂に会することのない家族や親戚が集まった証にもなります。
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MCユンのひとこと
韓国の披露宴を思い浮かべると、私は「挨拶」という言葉が一番よく似合うと感じます。
久しぶりに会う親族との挨拶。
初めて会う親御様の友人との挨拶。
遠くから足を運んでくださったゲストへの感謝の挨拶。
新郎新婦は短い時間の中で、本当にたくさんの方と顔を合わせます。
日本の披露宴のように、一人ひとりと長い時間を過ごすスタイルとは異なりますが、できるだけ多くの方へ直接感謝を伝えようとするところに、韓国ならではの温かさがあります。
最後に
韓国の披露宴は、豪華な演出をゆっくり楽しむというよりも、
たくさんの人と会い、食事を囲み、直接お祝いと感謝を伝え合う時間です。
ビュッフェ会場のにぎやかさ。
親御様の友人との初対面。
遠い親戚との再会。
一つひとつのご挨拶から、家族を中心に広がる韓国の人間関係が見えてきます。
日本で日韓結婚式を行う場合も、韓国の親御様がゲストへご挨拶できる時間を設けたり、親族や友人との集合写真を丁寧に残したりすることで、韓国らしい披露宴文化を自然に取り入れられます。
日本の丁寧なおもてなしと、韓国のにぎやかで温かい交流。
その両方を大切にすることで、ご両家にとって心に残る日韓結婚式になるのではないでしょうか。
言葉をつなぐだけではなく、心までつながる結婚式を。



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